インドネシア・ジャワ島の西部。
山々に囲まれた文化の街から届いた、
アーバン・アウトドア・ライフと
旅を楽しむためのミニマルなウォレット。
今回のPop-Up! では、日本初上陸となるバッグ・小物の専門ブランドとのコラボレーションしました。インドネシアの旅の中で出合った〈SYMA〉というブランドです。拠点は、旅を計画し始めたときには全くのノーマークだった街、バンドン。
この旅ではジャカルタだけに行くつもりでしたが、リサーチを進めていくとインドネシア国内ではバンドンという街が重要だということがわかってきました。ファッションの工場が多く、インディペンデントなアートや音楽が生まれ、実はカルチャーの源泉がある文化都市だという。
以前はジャカルタから車で早くても片道3時間、渋滞があれば5時間かかることもあったということで、そのアクセスの悪さから海外には知られざる存在だったのだと思います。ですが、昨年の秋に「Whoosh」という高速鉄道が開通。最高時速350kmで、インドネシアの牧歌的な田舎の中をぶっ飛ばします。ジャカルタからバンドンまで、この「Whoosh」を使って乗り継ぐと、1時間で着いてしまう。それなら、ということでバンドンにも行ってみたわけです。結論を言うと、カルチャー、ファッション、フード、さまざまな面でたくさんの出会いがあり、気候も高地で涼しく、ぶっちゃけ住めるかも、という印象でした。
バンドン市街にある〈SYMA〉の路面店。今年の4月にオープンしたばかり。建築デザインとしても面白く、グラスファイバーやポリカーボネートを使った、簡易でシンプルな設計。今後も店を増やしていくつもりなのだが、その時に全く同じものをあえて作ったり、この店自体を移動させたりするのに、この作りにするのがベストの判断だということになったそう。
〈SYMA〉のメンバー。まだみんな20代〜30代半ば。
店内には思った以上に商品の型数が多い。ブラックの生地をシグネチャーにしてきたが、今はベージュなども人気。
〈SYMA〉はこの街に住む若者たちが2013年に創業したインディペンデントなバッグブランド。2016年からは休止して、2020年にまた再開し、今に至ります。ファウンダーのひとりで、デザイナーのYordan Admiral(メンバーの写真・左手前)はトレイルランナーでもあり、アウトドアのプロフェッショナルの見地から利便性やクオリティの良さを考えて作っています。
バンドンは山に囲まれた街。ゆえにローカルたちはトレッキング・ハイキング・キャンプを愛し、アウトドアブランドも多い。そんな中で〈SYMA〉は明らかにデザイン性の良さが際立っていました。パラコード(パラシュートのために使用する紐)やカラビナを取り入れたり、クリンクル加工を施した独特なシワ感のあるオリジナルのナイロン素材を開発したり。
彼らの商品開発・製造は、アウトドアプロダクトを作るための知識やスキルをベースにしています。ですが、利便性やデザインへのアプローチは都市生活者の目線を重視していました。つまり〈SYMA〉はインドネシアの山の中でアーバン・アウトドア・ライフに思いを至らせ、シティライフに使えるアウトドアギアを作り続けているという。
実にたくさんの型数があったのですが、その中から今回はバックパック、サコッシュ、トラベルウォレット2つ、合計4型を選び、コラボレーションしました。日本へのお披露目ということで試してもらいやすくしたいと、お値段調整も特別に。工場の都合もありそれぞれ限定数になりますが、ぜひ住む街でも旅先でも〈SYMA〉を使ってみてほしいなと思っています。