本誌の掲載からは漏れた写真。
でも、文句なしにカッコいい。
聖域に向かう道中に捉えた、
走る車の窓から撮ったワンショット。
成田から直行便で首都・ウランバートルへ降り立ち、憧れの寝台列車で南へ、爆走する車で東へ。超特急で駆け抜けたモンゴルの旅からは、取材で撮った写真の中から特に素晴らしいカットを選んでプリントしています。
写真家は安保涼平さん。本誌のファッションページの他、カタログや広告でも活躍しています。
Instagram: @ryoheiambo
さて、この旅の第一の目的は、中国・モンゴル・ロシアを縦につなぐ「モンゴル縦貫鉄道」に乗ること、そして宇宙のパワーが集まると言われる聖域「シャンバラランド」に行ってみることでした。寝台列車に夜通し乗ったのも、着いたら一面砂漠という景色を目の当たりにしたのもガルガル(モンゴル語でヤバい)の連続。上がその誌面ですが、実はこのTシャツに採用した写真は、本誌では使っていないのです。いわゆる「アザーカット」になります。
本誌掲載のセレクトからは漏れた写真。だけど文句なしにカッコいい。
これは一体どこの何? という話をしても、旅をしたスタッフはイマイチ覚えていなかったくらいでしたが、写真家の安保さんはハッキリ記憶していました。場所はウランバートルから寝台列車に乗って到着した、シャンバラランドがあるサインシャンド駅の近く。車に乗り換えて、5分ほど走ったあたりで窓の外にこれが見えて、シャッターを切ったそうです。
走りながら撮ったので、これが一体なんなのかというところまではハッキリわかっていません。建物で、建築中なのか、解体中なのか。とにかくこのままの状態でずっと放置されているような様子で、砂漠の中でこのまま風化していく運命なのかも。周囲を囲むトタンの壁が、奇しくもモンゴルの国旗の配色と同じで、その偶然もまたいい。
クールな何かを欲して反射的に生まれた作品です。ストーリーも背景も関係なしに、ぜひ手にとってみてください。もしモンゴルを旅して、シャンバラランドに行くことがあるなら、この風景を探してみるのもいいかもしれませんね。
最後に少しだけ、モンゴルでの旅情を感じられるカットもどうぞ。
これがウランバートル駅。今回の旅の拠点がココ。
ウランバートル駅のホームから、モンゴル縦貫鉄道の夜行列車に乗り込む。
ウランバートル駅を出てすぐのところにあったゲル地区。街のネオンに照らされた幻想的な風景を車窓から眺めた。
気になる客室は4人部屋。6 畳くらいの広さにベッドが4 つ付いた簡易的な作りで意外と寝心地は良好。シーツや毛布、枕カバーなど は新しいものを支給してくれる。就寝時は気分を盛り上げるべく、モンゴルが生んだ偉大なインディーポップアーティスト、マグノリアンの楽曲を子守唄に。