雑誌でもWebでもないPOPEYEの連載「POPEYE Onsen Towel」。『POPEYE ONLINE STORE』がオープンするときに発売される温泉タオルを表現の場として、片袖にはPOPEYEロゴを、そしてもう片袖にはイラストを。このイラストを、世界中のいろいろなイラストレーターにお願いしていきます。第9回は、インドネシアのFandy Susantoです。
ILLUSTRATOR
Fandy Susanto
ファンディ・スサント|イラストレーター。1983年、インドネシア・ジャカルタ生まれ。幼い頃から90’sのポップカルチャーに影響を受ける。電子製品、おもちゃ、ビデオゲーム、テレビ番組、映画の美学に惹かれ、グラフィックデザイナーになり、「Table Six」というデザインスタジオを開業。ドローイングは忙しい日々の中で安らぎを得るために内省的な練習として始めたが、友人のアーティストに誘われ、インドネシア・バンドンのギャラリー『C On Temporary』で個展を開き、没頭するように。それ以来、いくつかの展覧会に参加し、日本でも大阪で開催されている「UNKWON ASIA」のため2015年に来日。最近では今年6月にジョグジャカルタの『ISAアート』で開催された展覧会に参加。ジャカルタ市内でインディペンデントなアーティストたちの作品を扱うアートショップ&ギャラリー『SUNSET LIMITED』、および主宰としてJAKARTA ART BOOK FAIRの運営もしている。
Instagram: @fffffandy @fandysusanto
Fandyのことを知ったのは、今年7月に発売した本誌「僕の熱帯アジアひとり旅」特集のリサーチ中でした。インドネシアの様子を知るためにJakarta Art Book Fairに参加した日本のアーティストから話を聞いていると、主宰者かつ面白いアートショップをやっているグラフィックデザイナー・イラストレーターがいる、とのことで、肩書きが渋滞しているけど面白そうな人がいるんだなと。
ジャカルタ・バンドンの旅取材を決め、まずコンタクトしたキーパーソンたちの中のひとりがFandy。もちろん彼のショップ&ギャラリー『SUNSET LIMITED』にも訪れ、制作にもたくさんのアドバイスをいただきました。
artwork: MUTUAL AGREEMENT
初めての個展のために制作した作品。かなり小さなサイズで制作している(32×24cm)。意識的なものであれ無意識的なものであれ、人々の思考と感情の間にある断絶や同調の欠如を探求するのは面白いと思っています、とのこと。
artworks: UNTITLED & ADAPTATION
人間の行動は、常に好きなテーマ。人がどのように真に考え、その真摯な思いに基づいて決断を下すのかを理解したいという願望を常に抱いている。この作品では、さりげなく伝えようとしている励ましを受け取ってもらえればと思います、とFandy。
artwork: DEVIL IN YOUR SHOES
彫刻は、アイデアを拡張する一つの方法だという。粘土とゴム長靴を使ったこの作品は、初めての個展で展示された。
Fandyの作品は一見すると可愛らしいのだけど、よくよく見ると、可愛いというのとはまた違う、一種の異様さのようなものが伝わってくるように思います。あっさり言うなら、なんかちょっと怖い、というような。シンプルな線だけど、興味・好奇心をそそられる何かがある印象。今回のPOPEYE ONSEN TOWELに描き下ろしてくれた作品は何かがお湯に浸かっているような感じで、パッと見ると可愛いんだけど、なんで頭が三角なのか、なんで顔が2つあるのか、そもそもなんで鼻まで浸かってんの、などツッコミどころが多い。銭湯や温泉で使っていたら二度見されそうなタオルです。
そんな可愛らしさと異様さのあるイラストを、絶妙なグレーのカラーでプリントしています。今回は偶然にも、同じBasic CollectionのPiece T-Shirtとマッチング。一見なんでもない普通の真っ白なTシャツだけど、作りは上質でタフ、かつ小さくピスネームがついている。そのピスの色も今回はグレーなので、この2つを一緒に使うのもおすすめです。
このタオルシリーズ、ちょっとしたプレゼントやご挨拶・お礼の品にもちょうどいいようで、おかげさまで好評です。ぜひ贈り物にもどうぞ。相変わらず、ふくろう印のタグに『POPEYE ONLINE STORE』のオリジナルネームを添えています。